【和訳と歌詞解説 詳細】【Hello】 Adele
Hello / Adele
Youtube 公式チャンネルより
和訳と歌詞解説 詳細 Hello / Adele
1番
Hello, It’s me もしもし、私です
この’Hello’を、「こんにちは」と訳すのか、「もしもし」と訳すのか。そして’it’s me’はそのまま訳すと「それは私です」ですが、意味不明ですね。
‘It’s me’は、相手が自分の事を見られない状況で、「今声を出している人(It)は、(あなたの知っている)私(me)ですよ」という意味で使われます。(例えば、ドアの向こうにいる知人に対してノックしながら「It’s me」といったりします)
*「オレオレ詐欺」は「”It’s me” scam」とも言われるそうです。(他にもTelephone scamなどがあります )
ここまでしか読んでいない段階では、
1 (ドア越しに)こんにちは、私です(と誰か知人に呼びかけている)
2 (電話越しに)もしもし、私です(と誰か知人に呼びかけている)
どちらなのかはわかりません。ただ、このだいぶ後の歌詞に’I call you’という表現がでてきて、きっと電話だろうという結論で、2を採用しています。
I was wondering if after all these years you’d like to meet
To go over everything
いろいろあったけど、また会えないかな、と思って
- I was wondering if 〜は I wonder if 〜(〜かと思う) の過去進行形です(→過去進行形についてはこちら)
- wonderを使った例文などは別ページに(→wonderの意味、例文など)
if の後に、after all these years と続きます。after all「結局」がひとまとまりで、these years「この数年」 を主語にして文章が続くのかな、と思いますが、次はyou’dとなってしまいます。
these years を受けるような動詞、例えばareやwere(be動詞)がでてくるはずなのに、あれ?となります。と言うことは、after all these years までがひとまとまりなのでしょう。(all はthese yearsを修飾していると解釈できます)
さらに読み進めると、you’d like to meetとなって、やっと本体が出てきました。
すなわち、I was wondering if you’d like to meet「あなたが(私に)会いたいと思うかどうかと思っていた」となり、そこにafter all these years とTo go over everythingを加えて訳します。
直訳は、「全てを乗り越えるために、この数年が経った後で、あなたが私と会いたいと思うかどうか、と思っていた」
**蛇足
- Would you like to meet?
- I was wondering if you’d like to meet.
どちらも日本語にすると「会えませんか?」と言う意味になりますが、違いは何でしょう?
まずI wonder if 〜とすると、「〜はどうかな」という不安や疑問が追加され、さらにI was wondering if〜とすると、過去進行形なので、「過去に、〜かと思っていた」となり、今現在どう思っているかをぼかして、「なんか、会えないかなーとか、(前に)思ってた(過去進行形)んだけど。。」くらいの弱腰な感じ、丁寧な感じが表現されています。
They say that time’s supposed to heal ya
みんなは時間がたてば忘れられるっていうけど
be supposed to 〜(→例文と意味の解説)は、「〜なはずだ」 ya=you 直訳「彼らは、時間があなたを癒すはずだという」
but I ain’t done much healing
私はまだ忘れられないみたい
ain’t= am not / have not 直訳「私は(時間によって)癒しをされていない」(I have not done much healingだと解釈すると、「私が、癒しをまだしていない」となって、こちらでも良いように思います)
2番
Hello, can you hear me? もしもし、聞こえてる?
もしも、Hello, Can you listen to me? だと「もしもし、ちゃんと私の話を聞いてくれる?」Can you here me?だと、「私の声自体が聞こえてますか?」と言う意味になります。 →hear と listenの違い 詳しくはこちら
なので、この歌詞で想像されるのは、電話しても相手が出なくて(これは、サビの部分で「電話してもあなたは家にいない」とでてきたことから想像してます)、留守電に入れてるのか、心の中で思っているだけなのかわかりませんが、聞こえてる?と語りかけている姿です。
I’m in California dreaming about who we used to be
When we were younger and free
私は今カリフォルニアにいて、かつての私たちのこと、
若くて、自由だった私たちのことを夢にみてる
dream about 〜 「〜のことを夢に見る」 夢の内容は、who we used to be です(used to の例文)
dream about who で「 誰か[who]のことを夢に見る」です。この[who] の内容がwe used to beですから、 we used to be [who] と言う順で考えて、「私たちはかつて[who]だった」、そして「その[who]のことを夢に見ている」となります。まとめて、「かつての私たちのことを、今、夢に見ている最中です」と訳せます。
続く、when we were younger and free にもdreaming about がかかっているので、「私たちが、若くて自由だった時のことも夢に見ている最中です」ということになります。
若くて自由だった私達は今となっては夢のようで、夢はすぐに覚めてしまうから、現実にはもうあり得ない事ですね。。と半ば諦めの気持ちも感じました。
サビ1
Hello from the other side もう電話に出てはくれないのね
直訳「反対側からもしもし」
<the other side 例文 (→Weblio 英和辞典より)>
- the other side of the world 地球の裏側
- get over to the other side 向こう側へ渡る
ここから私がイメージしたのは、自分からは見えない側や、離れて手が届かない側、です。なので、もう手が届かない、話もできない、というイメージで「電話に出てくれない」と意訳してみました。
I must’ve called a thousand times
何度電話したかわからない
must’ve=must have must have + 過去分詞(ここではcalled)「〜だったに違いない」→must have + 過去分詞の例文など
I must have called 「私は電話したに違いない」つまり、私は1000回 (a thousand times) 電話したに違いない、 となります。それなら I called a thousand times と言っても良いのでは?とも思いますが、この言い方だと、本当に1000回数えた、という印象になります。
must have 〜にすることで、本当に数えたわけではないけれど、きっとそれくらいはかけたに違いない、という感じになります。(蛇足ですが、ここで出てきたcalled a thousand times で電話だとわかり、冒頭のHelloを’もしもし’と訳す根拠になりました。)
To tell you I’m sorry
For everything that I’ve done
謝りたいの、私があなたにしてきたこと全てを
sorry for everything 「everythingについて謝る」
everythingの内容は、that I’ve done (I’ve done that(everything) と頭の中で置き換えて考えます。)
have + 過去分詞は、現在完了形で、このイメージは過去から現在まで繋がっている一連のこと、なので、過去から現在までに私がしてきた全ての事と解釈できます。
*蛇足 もしもこれが I’m sorry for everything that I did になっていると、過去のある時点で私がした事のみを指している印象になって、いつかに何か言ってしまった事や、やってしまった事のみを指している印象です
But when I call you never
Seem to be home
でもいつ電話してもあなたは家にいない
この文章は現在形で書かれているので、過去にいなかっただけでなく、いつも、これからもいないだろうな、というあきらめのような感情が感じ取れます
サビ2
Hello from the outside どうしても電話に出てはくれないのね
直訳「外側からもしもし」 手が届かないくらい離れている、話もできない、と言うイメージで意訳しました。
At least I can say that I’ve tried
To tell you I’m sorry
For breaking your heart
あなたを傷つけてしまったこと
’ごめんなさい’と伝えられたら
I’ve tried = I have tried 現在完了形なので、過去から現在まで努力してきた、と言うイメージです(何度も電話した事を指していると思われます)
直訳すると、「少なくともこれまで、あなたの心を壊してしまったことを謝ろうと努力はしてきたと言える」 実際は謝れていない(電話に出てくれないから)ので、「’ごめんなさい’と伝えられたら」としました。
But it don’t matter, it clearly
Doesn’t tear you apart anymore
でも、もうあなたには関係ないこと
もう私のことなんか忘れてるのね
it don’t matter は文法的に正しいのは doesn’t ですが、しばしば、She don’t や He don’t などと使われます。
<matter 動詞/名詞 例文>
- What’s the matter with you? いったいどうしたの?(直訳 あなたのかかえている問題は何?)
- What does it matter? それがどうした?(直訳 それが何の問題になるのか?)
it doesn’t matter でそれは何の問題にもならない、すなわち関係ない、と訳せます。
後半の直訳「それは明らかに、もはやあなたを苦悩させない」 tear apart は物を引き裂くと言う意味で、派生して、悩ます、苦悩させるという意味もあるようです。なので、私が何をいっても、もはやあなたを悩ますこともなく、届かないんですよね、と言う意味をこめて、「私のことなんか、忘れてるのね」としました。
<ここまで読んで頂きありがとうございます。他にも和訳している楽曲あります↓↓>
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→Adele 25(piano, vocal, guitar) (amazon) 楽譜
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